植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A03 公募研究:『植物細胞場』解析技術開発

フラビン結合光センサードメインを鋳型とした酸化還元状態感受性蛍光タンパク質の開発

研究代表者 岩田 達也 名古屋工業大学若手研究イノベータ養成センター・テニュアトラック助教 研究代表者ホームページ

研究概要

 ミトコンドリアや葉緑体においてはエネルギーと還元力の生産を行うため、光環境やストレスなどの外界の環境によってその酸化還元状態が変化すると考えられる。これらの細胞小器官は独自のゲノムを持っており、タンパク質の翻訳に核との間での情報のやりとりが行われているが、核へのシグナル伝達に酸化還元状態が関与する事が示唆されている。本研究の目的は細胞内(細胞小器官内)酸化還元状態に応答して蛍光強度が可逆的に変化する蛍光タンパク質を開発することである。細胞小器官と核との間の情報伝達における酸化還元状態の役割を可視化できる点において新たな観測手法を提供するものである。
 初年度は、フラビンを結合した光センサードメイン(LOV、BLUF、クリプトクロム/DNA光回復酵素ファミリー)を鋳型として、変異導入により酸化還元状態感受性蛍光タンパク質を作製する。フラビンは酸化型のみが蛍光性であり、酸化還元状態に敏感でセミキノン型を生成しやすいタンパク質をランダム変異導入により作製する。タンパク質を発現させた大腸菌を用いて、酸化剤・還元剤添加の条件を変えながら多くの検体から効率のよい選別を目指す。さらに細胞中で定量的に蛍光を捉えられるように測定系を最適化するとともに、作製したタンパク質に対して紫外・可視、蛍光及びFTIR分光法を用いてその分光学的特性を明らかにする。次年度は得られたタンパク質の分光学的特性を調べるとともに、実際に植物に導入して蛍光タンパク質としての挙動を観測する。

図:概略図

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