植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A02 公募研究:受容体・細胞応答機構

小胞体品質管理による花粉成熟過程のストレス耐性機構の解析

研究代表者 西川 周一 新潟大学自然科学系・教授 研究代表者ホームページ

研究概要

 分泌タンパク質などの合成の場である小胞体では、新生タンパク質が高濃度で蓄積しており、細胞への様々なストレスによって、高次構造形成に失敗した不良品である「異常タンパク質」が生じる。小胞体の品質管理機構は、小胞体で生じた異常タンパク質を認識・除去することで、細胞や個体の恒常性維持に重要な役割をはたしている。この小胞体品質管理機構で中心となるのが、Hsp70であるBiPと小胞体のJタンパク質(Hsp40)からなるHsp70システムなどの、小胞体内腔の分子シャペロンである。われわれは、小胞体分子シャペロンに関するシロイヌナズナ変異株の中に、温度ストレス下で栽培すると不稔となるものがあることを見いだした。解析の結果、これは葯のタペート細胞の機能欠損によるポレンコート形成異常によることが明らかとなった。本研究計画では、温度ストレスによるタペート細胞における遺伝子発現の変化、葯内での代謝産物の組成・分布の変化を野生株と小胞体分子シャペロン欠損株で比較するとともに、組織レベルでの小胞体品質管理の解析を行い、小胞体品質管理欠損とポレンコート形成異常との関連の解明を目指す。
 植物の生殖成長は、栄養成長に比べて様々な環境ストレスに対する感受性が高い過程であるが、その中でも最もストレス感受性が高いのが花粉形成の過程である。本研究計画では、小胞体品質管理装置に着目した解析で、花粉成熟過程のストレス耐性のメカニズムの解明を目指す。

図:概要図

« 一覧へ戻る

Copyright ©2010 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで」