植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A01 公募研究:個別刺激応答機

温度環境感覚におけるPIF4制御の分子機構の解明

研究代表者 古本 強 龍谷大学・文学部・教授 研究代表者ホームページ

研究概要

 植物は、光環境以外にも、通常生育温度変化範囲内での温度変化によって形態変化を引き起こす。この現象については、比較的穏やかな高温(28度)条件下での徒長現象そのものは多くの植物種で知られているにもかかわらず、その温度環境感覚の分子機構はまったくといってよいほど理解されていない。
 我々はこれまでに、大気温度に応じた伸長成長の分子機構の解明の端緒として、28度条件下で伸長できない変異体を単離し、原因遺伝子がPIF4であることを明らかにした。ついで、(1)PIF4の遺伝子発現が28度条件で誘導されること、そして(2)恒常的に発現させた外来性のPIF4タンパク質が16度の低温処理で不安定化されること、という2つの異なる温度に応じたPIF4の新規制御現象を独自に見出すことに成功した。これらの結果は、ファイトクロームを介した光環境感覚について中心的に機能する転写因子であるPIF4が温度環境感覚においても鍵因子として機能することを意味する。
 このように、微細な大気温度変化をPIF4タンパク質量の調節として伝える未知のシグナル伝達機構の存在が示唆されたことから、高温(28度)と低温(16度)の二つの温度への異なるPIF4へのシグナル伝達について以下の分子遺伝学的実験を計画している。

 (1) 「高温下でのPIF4転写誘導」が不全の変異体を探索する。
 (2) 「低温下でのPIF4タンパク質の分解」に不全を起こす変異体を探索する。
 (3) 既知のF-box変異体でのPIF4タンパク質の挙動調査

 これらの実験により、温度環境感覚の分子機構を明らかにしたい。

図:概要図

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