植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A01 公募研究:個別刺激応答機

低温シグナル伝達因子ICE1の活性化に関わる分子機構の解明

研究代表者 三浦 謙治 筑波大学大学院生命環境科学研究科・助教 研究代表者ホームページ

研究概要

 低温シグナルにおいてICE1は最上位に位置する転写因子であるが、ICE1の活性化及びICE1によるDREB1Aの転写活性化機構に関してはほとんど分かっていない。申請者はこれまでに活性化機構に関わると考えられる因子の単離を目的としてICE1と相互作用するタンパク質を酵母2ハイブリッド法で得た。その中でMYCタンパク質は転写活性化において負の調節に関わると考えられ、キナーゼはICE1のリン酸化に関わると考えられる。本研究では以下のことを目的として研究を行う。
 1つ目として、MYCタンパク質が低温応答メカニズムに関わること、及びこれらMYC転写因子との相互作用がICE1の転写活性化能にどのように影響を与えるかを明らかにする。また、もう1つの相互作用因子キナーゼによりICE1がリン酸化されるかを明らかにし、ICE1自身及び低温シグナル活性化に対するキナーゼの機能について明らかにする。  
 MYCに関しては、myc変異株が低温耐性を示すこと、MYC過剰発現体が低温感受性を示すことから、低温シグナルにおける負の制御因子であることが示唆されている。そこでこれらMYCタンパク質とICE1タンパク質がDREB1Aの転写活性化において競合的に働く可能性を考え研究を遂行する。キナーゼに関しては、まずICE1とキナーゼの結合特異性を調べる。結合が確認された場合、そのキナーゼのRNAi株又は過剰発現体を作製し、これらのキナーゼが低温応答性及び低温シグナルに関わるかを調べる。実際に低温に対する応答に異常が見られた場合、キナーゼによってICE1がリン酸化されるかを明らかにし、ICE1におけるリン酸化部位の特定を行う。また、ICE1は気孔発達にも関わることが最近明らかにされ、低温シグナルと気孔発達シグナルのintegratorとしての役割に関しても詳細を明らかにする。

図:温度刺激に対する応答機構解明の概略図

« 一覧へ戻る

Copyright ©2010 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで」