植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A02 公募研究:受容体・細胞応答機構

植物細胞の環境応答におけるミトコンドリアの動態と生理機能のイメージング解析

研究代表者 山岡 尚平  京都大学大学院生命科学研究科・助教 研究代表者ホームページ
連携研究者 有村 慎一 東京大学大学院農学生命科学研究科・准教授

研究概要

ミトコンドリアはその形態や運動性を頻繁に変化させるダイナミックなオルガネラである。この動態は、植物細胞内外の環境変化に対応していると長く考えられてきた。しかし、その実証例は現在までほぼ皆無である。その理由として、植物ミトコンドリアの動態を制御する分子メカニズム自体がほとんど明らかにされておらず、変異体を用いた解析が不可能であったこと、また植物細胞内の生理環境の変化を捉えるための顕微技術が少ないことが挙げられる。
我々はこれまで、植物ミトコンドリアの動態制御のメカニズムの解明を進めてきた。その中で、dynaminとMiroという進化的に保存された2つのGTPaseがそのメカニズムの中核を担い、植物の生存に必要不可欠であることを明らかにした。
本研究では、ミトコンドリア動態変異体の作成と解析により、植物の個体発生・環境応答におけるミトコンドリア動態の生理的意義の解明を目指す。特に、シロイヌナズナのMiroオーソログであるMIRO1に注目し、その遺伝子発現抑制(ノックダウン)により、細胞内のミトコンドリアの形態・細胞内分布を変化させた植物を作成する。これを用いて、ミトコンドリアおよび他のオルガネラの機能の変化と、個体発生・環境応答への影響を解析する。また、植物細胞内のレドックス状態・カルシウム濃度などの変化を可視化するイメージング解析系の開発を試みる。レドックス可視化には、最近開発された新規FRETプローブRedoxfluorなどを用いる予定である。さらにこれらの実験系を用いて、ミトコンドリア動態と植物細胞内の生理状態の関係を明らかにしたい。

図:MIRO1遺伝子欠損株の表現型と本研究の概要

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