植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A03-ク 計画研究 : 『植物細胞場』解析技術開発

計画研究ク:質量顕微鏡による高空間分解能分子動態解析

研究代表者 高橋 勝利 独立行政法人産業技術総合研究所・主任研究員

研究概要

質量分析法はライフサイエンス分野において、超高感度(例えばフェムトモルからアトモルレベルの検出感度)な物質検出法として頻繁に用いられるようになった。この方法を使って、さまざまな条件下の生体組織中に含まれる様々な物質(タンパク質、代謝物等)を検出し、条件の違いにより検出できる物質の違いを検討することで、条件の変化に伴う様々な物質の動態変化を解析することが行われている。しかし、それらの大部分は、組織をすり潰して必要な物質を抽出したのちに分析を行うため、組織や細胞内で物質がどのように分布し、条件の変化に応じてその分布状況がどのように変化するのかをとらえることはできなかった。このような状況下で、小さく絞ったレーザー光をサンプルに照射して、照射部位に存在する物質をイオン化・質量分析する手法を利用して、レーザー照射部位をスキャンさせながら質量分析を行い、それを画像化することにより、さまざまな物質の空間分布を計測する「質量顕微鏡」が開発され、利用されるようになった。この質量顕微鏡を使って得られる質量スペクトル情報から、あらかじめ存在が想定される物質を検出することは可能であるが、植物組織に含まれる2 次・3次代謝物を含む未知化合物を同定し、同時に空間分布を明らかにすることは難しかった。本研究課題では、植物組織・細胞を対象にして、高次代謝物を含む未知化合物の同定及び空間分布の測定を行い、条件の違う環境下におかれた組織・細胞内での分子動態を解析する技術を開発することを目的に研究を実施する。また、これらの技術開発と並行して、計画研究イの上村らと共同で、本技術の低温応答への応用を、計画研究オの三村らと共同で、単膜系オルガネラ内の物質解析を目指す。

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