植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

A01-イ 計画研究:個別刺激応答機構

計画研究イ:植物の低温耐性獲得および喪失における温度刺激・応答機構の高時空間分解解析

研究代表者 上村 松生 岩手大学農学部・教授 研究代表者ホームページ
研究分担者 河村 幸男 岩手大学農学部・准教授  

研究概要

植物の温度刺激・応答である低温馴化と脱馴化は、凍結耐性の増減を制御する過程である。これまでの当該分野の研究は、低温馴化に焦点を当てたものが多く、しかも、得られた遺伝子発現変化の結果も組織間差異は存在しないという暗黙の仮定があった。しかし、野外での凍結過程で各組織にかかる脱水ストレスと機械ストレスには偏りが見られ、それぞれの耐性に関与する因子も組織毎に、あるいは、細胞内オルガネラレベルで異なる。

本研究では、個体における詳細な低温情報受容、伝達、そして耐性形質発現までの分子経路を,組織間コミュニケーションを含めて構築することを目的とする。具体的には、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして用い、脱水ストレス応答と機械ストレス応答のそれぞれを別個に検出する実験系を確立する。次に、これを用いて低温馴化および脱馴化における時間・空間分解能の高い発現解析を行う。これを元に、特徴的な応答が見られた器官・組織において、通常のオミックス解析や、計画研究クの高橋勝利らと共同で質量顕微鏡による解析などを行い、低温馴化と脱馴化の過程を明らかにする。また、リポーター遺伝子発現植物に変異原処理を行い、低温馴化および脱馴化過程の速度や耐性の程度に差がある変異体を単離して分子遺伝学的解析を進める。本課題終了時には、異なる組織・細胞における温度刺激・応答の詳細かつ網羅的情報が取得されるとともに、異なる組織間で凍結耐性のバランスを調節する組織間コミュニケーションの実態が明らかとなる。

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